プレゼンテーションやセミナーなどで、スクリーンに映し出された図面や文字の一部を指し示すために、レーザーポインターを使用する場面をよく見かけるでしょう。指し棒と比べて軽くて使いやすく、暗い場所や遠距離でも使用できるのがメリットです。 実は、色の違いによって使用用途が異なることをご存知でしょうか。

   


レーザーポインターとは?

レーザーポインターは、プレゼンテーションや会議などでもよく使われている半導体レーザーを使用した器具です。多くの場合は乾電池式となっており、軽くて持ち運びしやすいというメリットがあります。 手元の動作で図や映像を指し示すことができ、暗い場所や遠距離からも一点に光りを当てることが可能です。


指し棒だと最大2m程度先しか示すことができないのに対し、レーザーポインターはその150倍にも及ぶ300m先まで示すことができます。直接図に触れる必要がないため、指で触れると危険な場所でも使えるのも特長です。


レーザーポインターとは


光りの違い

レーザーポインターの光色は、赤・緑・青と3色のタイプがあります。


赤色光は標準的に普及しており、リーズナブルなのが特長。中小規模の会議室に最適で、量産化され最も普及しているタイプです。価格が一番安いことから、幅広く使われているので、レーザーに興味がない人でも一度くらいは見たことがあるでしょう。波長は635~690nmです。


緑色光は人間の眼で波長を認識しやすく、赤色光と比べると約8倍もの視認性を持っているため、大きな会場や広い現場に最適となっています。緑色光も近年普及が進み、赤色光よりは値段が高いものの、以前より高価ではなくなりました。波長は532nmです。


青色光は青い光を放つ珍しいタイプです。価格は一番高いですが、化学や医学の分野での活用など、さまざまなシーンでも使われるようになりました。綺麗な色合いが魅力のブルーレーザーですが、ほかの色と比べて暗くなりやすいため、選ぶ際には高出力のものを選択する必要があります。


このようにレーザーポインターの光色は、価格の安さで選ぶなら赤色、広い会場で使用するなら緑色がおすすめです。色合いの良さから、まだあまり普及していない青色を選ぶのも良いでしょう。ほかにも黄色光、赤外線などもありますが、これらはあまり量産されていないため、価格は高いのが現状です。 赤や緑など一般的な色に飽きてしまった方は一度使ってみるのも良いでしょう。


光強度とクラス表示について

レーザーポインターの安全に使用するためには、日本の法規制であるJIS規格に基づいたものを選ぶ必要があります。最大出力は1mW未満となる、JIS規格のクラス1~2が望ましいでしょう。


クラス1

クラス1は0.2mW前後の出力で、100秒間直視し続けても安全と言われるレベルです。主に玩具用と使用されている規格で、PSCマーク認定レーザーポインターとなります。


クラス2

クラス2の出力は1mW未満で、0.25秒未満までは直視しても安全に使用できるレベルです。主にプレゼンテーション用として活用されており、PSC認定レーザーポインターとなります。


クラス3~4

クラス3~4までは1mW以上の出力となり、これ以上のクラスは2001年より法規制され、製造販売や輸入販売ができなくなりました。直視すると眼に影響を与えたり、火傷などの皮膚障害を及ぼしたりする危険性があります。


ちなみに、現在使用ができるクラス1とクラス2ですが、大気中で見えるのはクラス3以上であり、1と2は軌道上で目視することはできません。


注意したいのは、日本の基準と海外基準では光強度が異なる場合もあることです。使用する場合は必ずJIS規格に基づいたものを選ぶようにしましょう。